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さくらのAI EngineをCodexから使う方法

さくらインターネットが提供するさくらのAI Engineを、人気のコーディングエージェントであるOpenAIのCodexから使う方法について説明します。

そもそも「さくらのAI Engine」って何?

一言で説明すると推論APIサービスです。 もっと雑に言うとAmazon Bedrockみたいなやつです。

主にオープンなモデルをホストしていて、世の中の「オープンではあるけど要求されるハードウェアスペックがとても高いモデル」を格安で提供しています。 特に、現時点でフロンティアモデルに匹敵する性能と言われているKimi K2.6は、一兆パラメーターを持ち、NVIDIA H100が16枚必要というわけのわからない要求スペックです。

参考までに、H100を普通に購入しようとすると1枚あたり500万円くらいします。 Kimi K2.6はこれが16枚必要です。

以下に特徴をいくつか。 宣伝の純度100%です。

安い

「格安」がどれくらいかというと、まず無料枠が1ヶ月あたり3000リクエストです(LLMの場合)。 3000「トークン」じゃなくて「リクエスト」ですよ。 値段設定おかしいですよね。

モデルの価格についてはマニュアルを確認いただきたいですが、モデルは適宜入れ替わるのでご注意ください。

プライバシー重視

AI Engineに送られたデータは学習などに使われることはなく、モデルの提供元へも共有しません。 他の類似サービスだと「無料プランだと学習に使われます、使われないようにするには有料プランを契約してください」みたいなことがありますが、これは無料プランだろうが一切学習に使いません。

「学習に使いせんが、学習を許可する場合はここにチェックを入れてください」みたいなオプトインもありません。 オプトインとかオプトアウトの概念すらなくて、そもそも学習に使わせるという選択肢自体が存在しません。

日本国内のデータセンターで完結

データが日本国外で処理されたり、日本国外のサーバーに保存されたり、そもそも提供元企業の本国が国外にある・・・といった場合、日本の法律が及ばなかったり本国のデータ保護方針によって運営されたりします。

「さくらのAI Engine」は日本の会社さくらインターネットが提供して、データの処理も日本で完結するので、外国の法律には左右されません。

Codexでの使い方

というわけで、ようやく本題です。

前提として、macOSまたはLinuxでCodex CLIを使う方法の解説です。 Windowsやデスクトップアプリでの使い方は調査していません(Windowsは、設定ファイルの場所以外は同じだと思いますが)。

また、Codexの設定方法は2026年5月30日現在(0.135.0)の設定方法について説明します。 仕様はいままで結構変わってきて、今後も変わるかもしれませんのでその点はご容赦ください。

また、Codex CLIは事前にインストールされているものとします。

「さくらのAI Engine」APIキーを取得

まず、「さくらのAI Engine」のアカウントトークン(APIキー)が必要です。

以下の順に行ってください。

  1. さくらのクラウドの会員IDを取得&プロジェクト作成
  2. 「さくらのAI Engine」にサインアップ
  3. アカウントトークンの取得

サインアップ時にプランを選択する必要がありますが、まずは「基盤モデル無償プラン」で十分です。

取得したアカウントトークンは環境変数 SAKURA_AI_ENGINE_KEY に入れておく必要があるので、 .bashrc.zshrc から export しておいてください。

export SAKURA_AI_ENGINE_KEY="YOUR-ACCOUNT-TOKEN-HERE"

メタデータファイルの作成

今回はモデルとしてKimi K2.6を使ってみます。 そのために、メタデータファイルを作成します。

以下の内容で $HOME/.codex/kimi-catalog.json を作成してください。

まだCodexを一度も起動していない場合は .codex ディレクトリーが存在しないので、ディレクトリーの作成から始めてください。

{
  "models": [
    {
      "slug": "preview/Kimi-K2.6",
      "display_name": "Kimi K2.6 (SAKURA)",
      "description": "Kimi K2.6 (SAKURA internet Inc.)",
      "default_reasoning_level": null,
      "supported_reasoning_levels": [],
      "shell_type": "shell_command",
      "visibility": "list",
      "supported_in_api": false,
      "priority": 99,
      "additional_speed_tiers": [],
      "service_tiers": [],
      "availability_nux": null,
      "upgrade": null,
      "base_instructions": "",
      "model_messages": null,
      "supports_reasoning_summaries": false,
      "default_reasoning_summary": "auto",
      "support_verbosity": false,
      "default_verbosity": null,
      "apply_patch_tool_type": "freeform",
      "web_search_tool_type": "text",
      "truncation_policy": {
        "mode": "tokens",
        "limit": 10000
      },
      "supports_parallel_tool_calls": false,
      "supports_image_detail_original": false,
      "context_window": 262144,
      "max_context_window": 262144,
      "effective_context_window_percent": 95,
      "experimental_supported_tools": [],
      "input_modalities": ["text", "image"],
      "supports_search_tool": false
    }
  ]
}

これは codex debug models --bundled でバンドル済みのモデルのメタデータ情報を抜き出し、Kimi K2.6の公式情報と照らし合わせて「多分こんな感じだろう」と作ったファイルです。 もしかしたら最適な設定じゃないかもしれません。

プロファイルの作成

次にKimi K2.6用のモデル設定ファイルの作成が必要です。

以下の内容で $HOME/.codex/kimi.config.toml を作成してください。

model_provider = "sakura"
model = "preview/Kimi-K2.6"
model_reasoning_effort = "xhigh"
approval_policy = "on-request"

以前のバージョンでは config.toml[profiles.kimi] などのテーブルが必要でしたが、今は独立したプロファイルが必要です。 これまでの書き方だとエラーが出るのでご注意ください。

設定の編集

最後に $HOME/.codex/config.toml をこんな感じで作成(または存在する場合は編集)します。

# これはトップレベルに書く
model_catalog_json = "./kimi-catalog.json"

[model_providers.sakura]
name = "SAKURA AI Engine"
base_url = "https://api.ai.sakura.ad.jp/v1"
env_key = "SAKURA_AI_ENGINE_KEY"
wire_api = "responses"
requires_openai_auth = false

env_key に指定している SAKURA_AI_ENGINE_KEY は、手順の最初で取得したアカウントトークンの環境変数名です(アカウントトークンそのものではありません)。

また、最初の model_catalog_json を指定しておかないと、この後でCodexを実行した時に以下のような警告が出ます。

⚠ Model metadata for `preview/Kimi-K2.6` not found. Defaulting to fallback metadata; this can degrade performance and cause issues.

Codex起動!

Codexを起動するときに -p kimi を指定すると kimi.config.toml が読み込まれ、Kimi K2.6を使えるようになります。

こんな感じでモデルに preview/Kimi-K2.6 が表示されていれば成功です。

% codex -p kimi
╭───────────────────────────────────────────────────────╮
│ >_ OpenAI Codex (v0.135.0)                            │
│                                                       │
│ model:     preview/Kimi-K2.6 xhigh   /model to change │
│ directory: ~/workspace                                │
╰───────────────────────────────────────────────────────╯

  Tip: New Build faster with the Codex App. Run 'codex app' or visit https://chatgpt.com/codex?app-landing-page=true


› Find and fix a bug in @filename

  preview/Kimi-K2.6 xhigh · ~/workspace

なんか作ってみる

せっかくなので何か作ってみます。 プロンプトを入れてしばらく待つと、マインスイーパが出来上がりました。

› ブラウザーで動く、かっこいいマインスイーパを作って

• かっこいいマインスイーパを1つのHTMLファイルにまとめて作成します!

────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────

• ファイルが大きいため、exec_command で書き込みます:

• Ran cat > minesweeper.html << 'HTMLEOF'
  │ <!DOCTYPE html>
  │ <html lang="ja">
  │ … +300 lines
  └ (no output)

────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────


› Find and fix a bug in @filename

  preview/Kimi-K2.6 xhigh · ~/workspace

できたのがこれです。 PRO EDITIONとかいう大層なタイトルがついています。

テストもデバッグも何もしてないですが、暇な時に遊んでやってください。


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